前回のレポート 「日向ひまわり独演会」 2008年11月4日(木)横浜にぎわい座のげシャーレ

 午後7時の開演に向けて、スタッフは3時集合、舞台の設営を始めとする準備に入る。
ヨコハマ映画祭実行委員会のメンバーが中心なので、映画上映などについては慣れていても、演芸の準備は初めてなので、
とまどうこともしばしば。間もなくひまわり先生も到着して、音響や照明の準備に加わり、良い高座を作るための
ダメ出しが続く。やや苦労したのは、出囃子の音楽。時と場合に応じて様々な出囃子で楽しんでいただこうという趣向で、
スタッフにひまわり先生のダメ出しが続いた。良い高座を作るための妥協なき姿勢がピーンと張りつめた空気をもたらす。

 準備も整い開場したが、いまひとつ客足が伸びない。どうしたのかと思っていると情報が入る。
ここへ来るための主要アクセスである京浜東北線が人身事故で不通になっていたのだ。
にぎわい座の大ホールでは今夜、立川志らく師匠の独演会が入っているので、そちらと連絡を取り、
開演を10数分遅らせることを決定。既に来られているお客様にお詫びをする。

 そんなこんなでバタバタしたが、その後無事開演した。
最初の演目は、「太閤記より 間違いの婚礼」の一席。着物姿のひまわり先生の軽妙な話術は絶好調。
木下藤吉郎と寧々、そして前田犬千代の、男と女の不可思議な恋愛模様を華麗に展開し、
大いに笑わせチョッピリ泣かせる、絶妙のエンターティメントとなっていた。

 続いて、トークショー。ひまわり先生のこれまでの足跡から、ひまわり講談の魅力の源泉まで縦横に語っていただいた。
その後、中入り休憩を経て、本日のメインイベント「赤穂義士伝より 三村の薪割り」。
赤穂義士伝は暮近くなると語られるが、その中でも代表的の一作に、日向ひまわりが挑んだ。
正に、ひまわり講談の神髄を極めたかのような渾身の熱演の迫力に客席は息を呑んだ。
甲子園には魔物が棲むと言われるが、この会場にも魔物がいた。演者の意気と、
観客の熱」が」一体化して1+1が3にも4にもなる事態が招来していたのだ。
この高座中確かに観客は日向ひまわりに恋をしていた。その中心で、日向ひまわりは見事な大輪の花を咲かせていた。
万来の拍手に包まれながら、長講2席が無事終了した。

 素晴らしい余韻の冷めぬ中、最後のプログラムはお楽しみ抽選会。
寄席のグッズやひまわり先生ご提供のレア物貴重品など次々と当たっていく。
もちろんひまわり先生の手で景品が手渡された。残念ながら抽選に外れた方には、
漏れなくひまわりの種がプレゼントされた。

 こうして山あり谷ありではあったが、第1回目の「日向ひまわり独演会」は無事終了した。
ひまわり先生を囲んだ打ち上げでは、反省の言葉も多々でたが、絶対2回目を開こうねという意思統一の出来た会となった。


 

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