「日向ひまわり独演会パート4」は、9月26日満員のお客様をお迎えして、
滞りなく開催することが出来ました。心より御礼申し上げます。
また、次回もよろしくお願い致します。
横浜ひまわりの会
春まだ浅い3月13日(土)、好天に恵まれ、4回目となる「日向ひまわり独演会」が、
横浜にぎわい座のげしゃーれにて開催された。
京浜東北線で事故があったようで、来場者に配慮して若干遅れてスタート。
ひまわりさんは茶がかった地味目な着物で登場。長講一席目は、「清水の小政」。
清水の次郎長の子分である小政の少年期の話である。少年物はひまわりさんの得意中の
得意とするところである。前半は、小政の親孝行話に、次郎長と森の石松が絡む。
次郎長の貫録、石松の滑稽に、こまっしゃくれたガキと思われた小政の、母への思いが
鮮やかに浮かびあがり、ジーンとしてしまった。後半は一転、次郎長の子分になろうと
決心した小政が周囲の大人から、ちゃっかりせん別をせしめる話で、場内は笑いの渦に
包まれた。
この話は、泣かせたり笑わせたり、心に染みる佳品で、ひまわりさんの語り口や仕草が
絶妙で、心から楽しめた。
続いては、トークの時間。司会者の質問に答え、講談のことから、歯の治療で4泊入院
したことや、花粉症等のプライベート関係まで、さまざまな話題に及んだ。人前で緊張
しあがらないコツなんて話は大変興味深かった。今回は客席からの質問も受け付け、
その答えがおもしろく、笑いのうちに大いに盛り上がる。
休憩を挟んで長講二席目は、「大岡政談 万両婿」。ひまわりさんは黒紋付に袴の正装で
登場。小間物屋の小四郎さんが上方へ商用で行くが、箱根で死んだと誤解され、江戸に
残した女房が再婚してしまう。そこへ小四郎が帰って来たことから始まるドタバタ劇。
この難問をお奉行さまの大岡越前が鮮やかに裁いてみせる痛快作。よくもこんな落とし所
があると感心する逸品である。
ひまわりさんのメリハリの効いた口跡は冴えに冴え、世知辛い世に人情の棹刺す、美しい
世界が現出した。ひまわりの講談芸は確実に大きくなっている。そして観客をもてなす
徹底したサービス精神には、驚嘆してしまう。
そして最後に、恒例の抽選会。今回は沖縄関連の景品がいろいろ当たって、2時間半に
及ぶ独演会はお開きになった。最初から最後まで、出ずっぱりのひまわり先生には心から
敬意を表したい。
(H)
|