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前回のレポート 「日向ひまわり独演会」 2010年8月21日(土)横浜にぎわい座のげシャーレ
	  
「日向ひまわり独演会パート5」は、8月21日満員のお客様をお迎えして、
滞りなく開催することが出来ました。心より御礼申し上げます。
また、次回もよろしくお願い致します。
横浜ひまわりの会


猛暑の夏、この日も例外でない暑さの午後、第5回目となる「日向ひまわり独演会」が、
横浜にぎわい座のげシャーレにて開催された。
早くから熱心なひまわりファンが詰めかけて下さり、会場内は冷房が効いて涼しいが、
熱い期待感が膨らむ。
ひまわりさんは涼しげな若草色っぽい着物に、袴姿で登場。一席目は、
「加藤孫六 出世の馬揃え」。同時間帯に甲子園の高校野球決勝戦があり、
その話題から一気に戦国武将の出世噺へ。後に、賎ヶ岳の七本槍として勇名を馳せ、
会津若松42万石の大大名に出世をした加藤嘉明の14歳当時の逸話だ。
少年物はひまわりさんの得意中の得意とするところだが、これもこまっしゃくれてはいるが、
才気煥発で憎めない孫六像が鮮明に浮かび上がる。
少年の父親への思いが鮮やかに浮かびあがり、胸に染みた。ちなみに、ひまわりさんは
この噺を以前よく読んでいたが、最近は封印気味だった。久し振りの「孫六」は実に
熟成されていて、笑いと涙の逸品であった。
続いて、トークの時間。司会者の質問に答え、暑さ対策から寄席の楽屋エピソード、
プログラム紙に掲載された幼少時代の写真のこと、講談を自分の演目とするまでの流れなど、
さまざまな話題に及んだ。当然、当意即妙の受け答えが大いに笑いを誘っていた。
休憩を挟んで長講二席目。高座上の照明が落とされ、黒い着物姿で、やや暗めな雰囲気。
怪談「牡丹燈籠 お札はがし
が始まる。ひまわりさんの怪談噺はめったに聴けないので、貴重な機会だ。ひまわり流の
「牡丹燈籠」は、怪談特有のおどろおどろしさが少なく、新三郎・お露の世にも哀しい恋の
物語として昇華されている。死してなお、愛するひとを想う気持ちが切なく胸に響く。恐いと
いうより、美しい物語だ。
やっぱり、ひまわりは男と女の噺をいろいろやって欲しいなあ、と心から思う会心の出来栄えだった。
今回もまた、ひまわり講談の進化を感じられて嬉しい会だった。そして観客との距離感も
絶妙なものになってきた。
最後は、恒例の抽選会。客席にいらっしゃっていた、映画「必死剣鳥刺し」の平山秀幸監督、
「時をかける少女」の谷口正晃監督、「桃色のジャンヌ・ダルク」の鵜飼邦彦監督が紹介される。
映画界から気鋭の監督が3人もお越しいただいたのだ。そんなこともあってか、今回の商品では、
映画関連グッズが大人気だった。
こうして2時間超の独演会はお開きに。今回も最初から最後まで、出ずっぱりのひまわり先生、
御苦労さまでした。
                                   
                                    (H)



 

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